遺伝子治療の次に問われるのは、失われた機能をどう取り戻すか

遺伝子治療によって病態の進行を抑えられるようになった今、希少疾患医療の価値は「原因に介入できるか」だけでなく、薬・デバイス・リハビリ・在宅環境を組み合わせながら、失われた身体機能をどこまで回復・維持できるかという“回復の設計力”へと移りつつあるのかもしれません。

ドラッグラグの先で進むドラッグロス――日本市場の「遅れ」ではなく「事業性」が問われている

ドラッグラグ改善によって日本の審査スピードは大きく向上した一方で、現在問われているのは「どれだけ早く承認できるか」ではなく、開発企業や投資家にとって、日本市場が最初から組み込む価値のある市場として成立しているかどうかへと重心が移りつつあるのかもしれません。

DNAは「鋳型を写す」だけでない-微生物研究が生命科学の前提を書き換え始めている

微生物の中から、核酸ではなくタンパク質構造を手がかりにDNAを合成する仕組みが見つかったことで、生命科学は既知の原理を精緻化する段階から、未記述のメカニズムを発見し、それを「使える技術」へ翻訳できるかが競争の軸になる時代へ移りつつあるのかもしれません。

新しい医療技術は、実用化までどれくらいかかるのか?

iPS細胞の初承認は再生医療の進展を示すと同時に、新しいモダリティが社会に根づくまでの長い時間軸を改めて浮き彫りにしています。今回の承認は、iPS細胞という技術の到達点であると同時に、再生医療が社会に定着していく長いプロセスにおける、新たな一歩なのかもしれません。