機械は「動く」だけでなく 「自分の身体になる」のか?
機械が動くことより、「自分で動かしている」と感じられるかが重要になってきている。
技術や研究のニュースを読んでいると、「何が起きたか」以上に「これから何が変わっていくのか」が気になります。
Patsnap Japanでは、そうした視点からも発信していきたいと考えています。ぜひ一緒に考えていければと思います。
今回取り上げたいのは、脳の信号を読み取って機械を操作するブレーン・マシン・インターフェース(BMI)技術の進化を扱った、こちらのニュースです。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG266QH0W6A120C2000000/
特に印象に残ったのは、ロボットハンドを動かせるだけでなく、触れた感覚を脳にフィードバックできる点でした。単に「念じて動かせる」だけではなく、触覚を通じて「自分で操作している」という感覚が生まれることで、BMIが単なる操作技術から、身体の一部として機能し始めていることが示されています。
これは、BMIの価値が「動かせるかどうか」から「どこまで“自分の身体として感じられるか”」へとシフトしつつあることを示しているようにも見えます。同様に、発話ができなくなった患者が会話できるようになる研究や、侵襲性の低いBMIを用いたリハビリ・日常生活支援の取り組みも進んでいます。治療そのものではなく、生活の質(QOL)をどう高めるかという視点が、技術開発の中心に置かれ始めている印象も感じられます。
一方で、BMIは身体機能の拡張にもつながり得る技術です。その可能性が広がるほど、倫理や規制の議論を技術開発と並行して進める必要性も高まっていきます。
BMIは、「できなかったことを可能にする技術」から、
人と機械の境界をどう設計するかを問い直す技術へと変わりつつあるのかもしれません。